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地理-環境

ヨーロッパ、アジア及びアフリカの交差点に位置するキプロスは、地中海の北東に位置し、トルコの南75キロ、シリアの西90キロ、エジプトの北380キロ、そしてギリシャのロードス島の東380キロに位置します。大きさは9,251平方キロメートルと、シチリア、サルジニアに次いで地中海で3番目に大きな島です。面積の35%を1974年以来トルコ軍により占領される一方で、英軍基地(BSBA)が全土の3%を占めます。キプロスは北緯34度33分と35度34分の間、東経32度16分と34度37分の間に位置し、緯度でいうと概ね日本の中部・関西地方に相当します。
トロードス及びキレニアの2つの山脈が東から西へ走っており、その中央を分断するようにメサオリア平野が横たわっています。森林生い茂る南西に位置するトロードス山脈には、キプロス最高峰、海抜1,953メートルのオリンポス山がそびえたっています。トロードス地帯全体で、キプロス島の約半分を占めます。北に細く走るキレニア山脈は海抜1,024メートル、ペンタダクティロス(文字通り、「五本指山」)の名前でも知られています。山脈の北、ペンタダクティロスから続くカーパッシアは滑らかな丘、傾斜及び谷から成ります。山脈は概ね海岸線の谷に囲まれており、その土壌は豊かで農業に適しております。キプロスの耕作適地は島の面積の46.8%にのぼります。
キプロスの総人口は2004年末で837,300人、うち77.8%(651,000人)は正教徒のギリシャ系でギリシャ語を話します。残りは、10.5%(88,100人)がイスラム教徒のトルコ系でトルコ語を話し、11.7%(98,100人)が外国人就労者あるいは国外からの移住者です。キプロスでは広く英語が通用し、政治及び商業の場では常に使用されています。トルコ軍が侵入し、島の1/3超を占領して以来、トルコによる人口政策のため、島の人口の特長は著しく変わりました。概算55,000人のトルコ系キプロス人が海外に移住した一方で、約115,000人の不法滞在者がトルコ占領地域に現在住んでいます。
キプロスの首都はレフコシア(通称ニコシア)で、人口219,000人、島のほぼ中央に位置し、行政所在地であるとともに商業の中心地でもあります。レフコシアは世界で唯一、首都が分断されています。というのも、1974年のトルコ侵入以来、島の北部はトルコにより占領され、南部とは国連緩衝地帯によって分離されているからです。
キプロス島で2番目に大きな都市は、島の南部に位置するレメソス(リマソール)です。人口172,500人のレメソスは島で一番人気のある観光地です。
南東に位置する沿岸都市ラルナカ(人口77,000人)はキプロス第二の商業港で、主要観光リゾートでもあります。キプロスへの主要玄関であるラルナカ空港は市の南部に位置します。
南西の都市、パフォスは人口51,300人、急速に開発の進む観光リゾート地であり、島の第二の国際空港があります。
トルコ占領地域においては、島の東部に位置するアモホストス(ファマグスタ)が1974年以前は観光の中心地でした。他に北西のモルフー、北部のキレニアがトルコ占領下にある主要都市としてあげられます。
キプロスは地中海で最も温暖な島です。7・8月の平均気温は中央平坦地で摂氏29度、トロードス山脈で22度;平均最高気温はそれぞれ36度及び27度です。冬も暖かく、晴れの日は1年のうち平均して300日を超えます。雨が降るのは11月から3月に限られています。雪は、低地及びキレニア北部で稀に降ることもありますが、トロードス山脈の標高1,000メートル以上ではだいたい12月の第一週から4月半ばにかけて毎年雪が見られます。
キプロスの海岸沿いはというと、北部では海が海岸線に入り込んで岩だらけであるのとは対照的に、南部は長い砂浜が続いている上に沢山の入り江があります。北部沿岸の平地はオリーブとイナゴマメの木に覆われ、その後ろには石灰石からなるペンタダクティロス山脈の断崖がそびえ立っています。南部では広大なトロードス大山塊が松、小ドングリ、イトスギそしてヒマラヤスギの木々に覆われています。島の17%が森林に覆われています。二つの山脈の間には肥沃なメッサリア平原が横たわっています。
キプロスの植物相はユニークで傑出した植物の財産を誇っています。約1,800種類の花植物のうち8%はこの島だけでしかみることができません。まさに植物学者たちの楽園と言えるでしょう。
動物がいつ頃からこの島に住み着いていつのか――この疑問は長く動物学者たちを魅了してきました。今では、キプロスに泳いで渡ってきたコビトカバと象が最初の動物であったことが判っています。ある種のハツカネズミとトガリネズミを除いては、人間がこの島に住み着くまで、コビトカバと象が唯一の島の居住者でした。現在、キプロスの動物相は、25種の哺乳動物、26種の両生類及び爬虫類、365種類の鳥類(といっても、島で生まれ育つの115種にとどまりますが)、そして種々様々の無脊椎動物に及びます。一方、島の沿岸は、197種の魚類、甲殻類、海綿動物及び棘皮(きょくひ)動物の棲家となっています。
今日、島で見ることのできる最大の動物はムフロン(学名
Ovis orientalis ophion)、島特有のめずらしい山羊です。ほぼ全滅状態でしたが、厳重に保護され、現在では約2000頭にのぼります。ムフロンは、キプロスの象徴、コインにも刻まれています。
古来より、キプロスはヨーロッパ及びアフリカ間を行き来する何百万もの渡り鳥の経由地となっています。鳥たちは島にある2つの塩湖、ラルナカ及びアクロティリに魅かれてやってきます。
その他の季節特有の島の訪問者には、砂浜に産卵のために訪れるミドリガメ(学名
Chelonia mydas)やアカウミガメ(学名
Caretta caretta)がいます。1978年にはこれら2種を守るための保護プロジェクトが成功裡にスタートしました。人工孵化を含むこのプログラムは地中海で手本となっています。
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